発表会やステージの前、緊張でカーッと顔が熱くなった経験はありませんか?深呼吸して「落ち着け落ち着け。。。」とやるあの感覚。
ホットフラッシュはそんな感覚が日常のふとした瞬間に突然やってくるイメージに近いかもしれません。
これは、ホルモンバランスの変化による自律神経の乱れが原因のひとつ。東洋医学では「血や潤いが不足して、気を抑える力が追いつかなくなってきたサイン」と考えます。
「歳だから仕方ない」ではなく、セルフケアで楽になれることがあります。今日はその方法をお伝えします。
こんな症状がありませんか?
一般的にホットフラッシュには、こんな症状がみられると言われています。当てはまるものがあるか確認してみてください。
次のパートでは、これらの症状はどうして起こるのか、東洋医学的な視点をみてきましょう。
なぜホットフラッシュが起きるの?
現代医学的には
40代以降、女性ホルモン(エストロゲン)が減少することで自律神経のバランスが乱れ、体温調節がうまくいかなくなります。その結果、突然カーッと熱くなったり、汗が出たりします。
東洋医学的には
血や潤いが不足してくると、気の動きを抑える力が足りなくなります。
若いうちは、体が自然と調整してくれていたけれど、揺らぎ世代になると、その制御力が追い付かなくなってくる。

朝まで飲んでも平気だった若いころと、日が変わる前には家に帰って寝たい揺らぎ世代の違い、イメージつくでしょうか。無理がきかなくなってくる感じです。
ですから、ちょっとした緊張や無意識のストレスでも気が上昇しやすくなり、上半身の熱さとして現れると考えられています。
今日からできるセルフケア|ツボ
気を下に降ろして熱を鎮める、ホットフラッシュにおすすめの3つのツボです。
息を吐きながらじんわり5秒×3セットを目安に押してみてください。
①太衝(たいしょう)|気を下げる・熱を鎮める
場所:足の甲、親指と人差し指の骨の間をなぞっていくと、骨がぶつかる手前のくぼみ。
肝の気の流れを整えて、上に上がった気を下に降ろしてくれるツボ。カーッときた時に押すと落ち着きやすいと言われています。

②湧泉(ゆうせん)|気を引き下げる・腎を補う
場所:足の裏、足の指を曲げたときにできるくぼみの中央。
腎経のツボで、上に上がった気を足元に引き下げる効果があります。足元を温めることで熱が上半身から下に降りやすくなり、眠りの質も上がりやすくなると言われています。
③三陰交(さんいんこう)|気を引き下げる・腎を補う
場所:内くるぶしから指4本上、骨の際。
肝・脾・腎の3つの経絡が交わるツボ。血や潤いを補いながら気のめぐりも助けてくれます。太衝とセットで押すのがおすすめです。

3つのツボはどれも、お休み前にお灸をするのもおすすめです。
お灸が燃え尽きるまで約5分ほど。
そのちょっとした時間の積み重ねが大きな変化につながりやすくなります。
【外出先でとっさにできるケア】
外出中にカーッときたときは、深呼吸+合谷(ごうこく)、労宮(ろうきゅう)がおすすめです。
深呼吸
吐く息を長くすることを意識してください。ゆっくり長く吐くことで副交感神経が優位になり、上がった気が落ち着きやすくなります。どこでもできるのが一番の強みです。
合谷(ごうこく)
場所:手の甲、親指と人差し指の骨が交わる手前のくぼみ。
気の巡りを整えて熱を鎮める働きがあります。反対の手の親指でじんわり押してみてください。冬場はハンドクリームを塗りながらマッサージするのもおすすめですよ。

労宮(ろうきゅう)
場所:手のひらの中央。軽く手を握ったとき、中指の先が当たるあたり。
心の興奮を鎮めて、上がった熱を落ち着かせる働きがあります。カーッときたときに反対の手の親指でじんわり押してみてください。合谷と交互に押すのもおすすめです。

その他、こんなおすすめグッズも
お灸
ツボのケアに、市販のせんねん灸などが手軽でおすすめです。火を使うのが不安な方は、煙の出ないタイプや貼るタイプもあります。就寝前のちょっとした時間に取り入れてみてください。
ゆたぽん
レンジでチンするだけで使える足元ウォーマー。湯たんぽのようにお湯を沸かす手間がなく、手軽で安心です。就寝前に足元を温めるだけで、眠りの質がぐっと変わりますよ。

実際の臨床では、
特に冬の睡眠時の足元の冷たさや、トイレに何度か起きてしまうなどのお悩みがある方も多いため、私はゆたんぽ代わりに、「ゆたぽん」をおすすめしています。
「トイレの回数が減って朝までぐっすり眠れた」という声を多く頂きます。
養生ごはん|スーパーで整える
血や潤いを補う食材を意識的に取り入れてみましょう。どれも、スーパーで手に入りやすい食材です。
納豆
血を補う代表的な食材のひとつ。大豆イソフラボンは女性ホルモンに似た働きをすると言われているので、苦手でなければ、ホットフラッシュが気になる方に積極的に取り入れてほしい食材。
酢・柑橘類
肝の働きを助けて血の巡りをよくしてくれます。ビタミンCはエイジングケアにも◎ですし、免疫力を高めるだけでなく、基本的なカラダづくりにも役立ちます。食後や小腹が空いた時のスイーツの代わりに柑橘類を食べるのもおすすめです。
ナッツ類
腎を補い、潤いを養う良質な脂質が含まれています。こちらも小腹が空いた時のおやつに取り入れると良いですね。
アボカド
潤いを補う食材の代表格。涼性の食材で、体内の熱を冷ます作用があります。食べ過ぎると冷えるので、食べ過ぎ注意。
鍼灸師の養生ごはん
私がよく食べているのが「アボカド納豆丼」。アボカドと納豆に鰹節を加え、納豆についている「たれ」で混ぜるだけ。ご飯に乗せて食べると、意外に美味しいです。血と潤いを同時に補える簡単養生ごはん、是非試してみてください。

ただ、日本人のおよそ半数は、大豆イソフラボンからエクオールを作るための腸内細菌を持っていないと言われています。納豆を食べても効果を実感しにくい方は、そのタイプかもしれません。
「食べ物だけでは限界があるかも」と感じたとき、エクオールの「完成品」であるサプリメントという選択肢もあります。私自身も取り入れているもののひとつです。
鍼灸師いろはの朝ルーティン
実際に私がホットフラッシュと、ホットフラッシュを起こす要因の一つでもある血圧対策として毎朝やっていることをご紹介します。

ゆっくり体を起こす
急に起き上がると気が一気に上昇しやすくなります。ゆっくり起き上がることで気の急上昇を防ぎます。
白湯+お灸を同時に
内側(白湯)と外側(お灸)から同時に脾胃を温める。気を下に落ち着かせるのに効果的です。
ヨガ→ラジオ体操の順番
ゆっくり呼吸で気を整えてから動かすことで、気が上がりにくくなります。
このルーティンにしてから、朝からカーッと熱くなることが少なくなってきました。完全にゼロではないけれど、以前より落ち着いてきた実感があります。
血圧測定のタイミングについて
血圧測定は「起床後1時間以内・排尿後・朝食前・座って安静にしてから」が推奨されています。上のイラストでは、白湯を飲む前に測定しています。
ただ、体質や生活環境によって個人差がありますので、自分に合ったケアを少しずつ試してみてくださいね。
まとめ
ホットフラッシュは、ホルモンバランスの変化だけでなく、血や潤いが不足して気を抑える力が追いつかなくなってきたサイン。「歳だから仕方ない」と諦めなくて大丈夫です。
今日からできるケアをまとめると:
お家でできること
・太衝・三陰交・湧泉を押す
・就寝前にお灸で足元を温める
・ゆたぽんで足元を温めて眠る
外出先でとっさにできること
・吐く息を長くする深呼吸
・合谷・労宮を押す
毎日の養生
・納豆・酢・柑橘類・ナッツ・アボカドを意識して食べる
・朝のルーティンを整える
完璧にやろうとしなくて大丈夫です。できることをひとつだけ、今日から試してみてください。カラダは正直に応えてくれます。
