東洋医学の「脾」ってどんな臓?|疲れやすい・食欲不振・むくみとの関係

東洋医学知識のかけら

食欲がわかない。
食べるとぐ眠くなる。
疲れがなかなか抜けない。
むくみやすい。

そんな不調はありませんか?

40代後半からは、更年期による揺らぎも重なり、「以前より胃腸が弱くなった」「疲れが翌日まで残る」と感じる方も少なくありません。

東洋医学では、こうした不調に深く関わるのが「脾(ひ)」という臓です。

現代医学の「脾臓」とは少し役割が異なり、食べたものから気や血を作り、全身へ届ける大切な働きを担っています。

今日は、東洋医学の「脾」がどんな働きをしているのか、わかりやすくご紹介します。

こんな症状ありませんか?

  • 食欲がわかない
  • 食べるとすぐ眠くなる
  • 疲れがなかなか抜けない
  • むくみやすい
  • お腹が張りやすい
  • 甘いものがやめられない
  • 朝から体が重い

いくつ当てはまりましたか?

これらはすべて、東洋医学でいう「脾」の働きが弱っているときに現れやすいサインです。

「脾」ってどんな臓?

東洋医学の「脾(ひ)」は、現代医学の脾臓とは少し違います。

食べたものを消化・吸収し、「気(き)」や「血(けつ)」を作り出す働きを担う、とても大切な臓です。

現代医学でいうと、胃や腸、すい臓などの消化器系の働きをまとめたようなイメージ。

私は患者さんに説明するときは、
「体の発電所みたいな場所」とお話しています。

どんなに良いものを食べても、脾が元気でなければ、充分にエネルギーへ変えることができません。

つまり、「食べること」と「元気」は脾がつないでくれているのです。

脾が弱るとどうなるの?

脾は、食べたものをエネルギーへ変えるだけでなく、カラダの水分を全身へ巡らせる働きもしています。

そのため、脾が弱ると…

  • 疲れやすい
  • 食欲がわかない
  • 食後に眠くなる
  • 浮腫みやすい
  • 体が重だるい
  • 下痢しやすい

といった不調が現れやすくなります。

また、東洋医学では「脾は湿を嫌う」と考えます。
そのため、梅雨や湿気の夏の蒸し暑さは、脾にとって少し苦手な季節。

梅雨になるとカラダが重く感じたり、小暑の頃になると食欲が落ちたりするのも、この脾の働きと深く関係しています。

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なぜ脾は弱るの?

脾は毎日働き続けています。
だからこそ、日々の生活習慣の影響を受けやすい臓でもあります。

例えば

  • 冷たい飲み物をよく飲む
  • 甘いものが多い
  • 不規則な食生活
  • 考えごとが多く、頭を休められない
  • 梅雨や夏の湿気

こうしたことが続くと、脾は少しずつ疲れてしまします。

特に40代後半からは、更年期による揺らぎも重なり、消化力が低下しやすくなるため、以前より胃もたれや疲れを感じる方も少なくありません。
鍼灸の施術でも、「食欲はあるのに食べると胃が重い」「食べたくないと思っていたけど、食べ始めると止まらなくなる」といったお話を伺うことがあります。

東洋医学ではこうした状態も脾の働きが弱っているサインのひとつと考えます。そんなとき、脾の働きを整えるツボを使うことも少なくありません。

今日からできるセルフケア|ツボ

脾の働きを助ける代表的な2つのツボをご紹介します。息を吐きながら、5秒×3セットを目安に気持ちいい強さで押してみてください。

①足三里(あしさんり)|脾胃を元気にする代表穴

場所:膝のお皿の外側のくぼみから、指4本分下がったところ。スネの骨の外側のくぼみ。

古くから「疲れたら足三里」と言われるほど、消化器系を整えて体全体を元気にしてくれるツボ。梅雨の時季に弱りやすい脾胃を、根本から立て直してくれます。

②陰陵泉(いんりょうせん)|水分代謝を助ける

場所:膝の内側、すねの骨の内側に沿って指を上へなぞっていくと、骨に突き当たる手前のくぼみ。

脾の水分代謝を助けて、体にたまった余分な湿を排出するのを促すツボ。むくみが気なる時に押すと、ジワっと聞いてくるのを感じて頂けると思います。足三里とセットで押すのがおススメです。

養生ごはん|スーパーで整える

脾をいたわるには、毎日の食事が何より大切です。
特別な薬膳食材ではなく、スーパーで手に入る身近な食材でも十分に養生できます

山芋

消化を助け、脾の働きをサポートする代表的な食材。

きのこ

シメジやえのき、シイタケなどのキノコ類は、胃腸の働きを助けながら、余分な水分の巡りをサポートすると考えられています。

かぼちゃ

脾胃を元気にし、気を補うと考えられています。

味噌

発酵食品であり、東洋医学では脾胃の働きを助け、消化を支える食材と考えられています。

お米

東洋医学では脾胃を養い、気を補う基本の食材です。

食べ方のコツ

脾は一度にたくさん食べるよりも、よく噛んでゆっくり食べる方が力を発揮しやすいと言われています。

また、冷えに弱い臓でもありますので、冷たいものばかりではなく、温かい汁ものを一品添えるだけでも、胃腸への負担を減らすことができます。

その中でも、毎日おすすめしたいのが「味噌汁」です。
味噌は発酵食品であり、大豆を原料としています。季節の野菜や豆腐、きのこ、わかめなど、その日の体調に合わせて具材が変えられるので、毎日の養生にピッタリの最強薬膳です。

いろは
いろは

大豆に含まれるイソフラボンは、更年期世代の女性にとっても注目されている成分。毎日の食事の中で、無理なく取り入れられるのも魅力ですね。
私自身も、ほぼ毎日味噌汁を作っています。

大豆イソフラボンを上手に活かすには、『エクオール』という成分も大切なポイントになります。こちらについては別の記事で詳しくご紹介しています。

▶エクオールってなに?

まとめ

東洋医学の「脾」は食べたものを消化・吸収し、気や血を作り出す大切な働きを担っています。

食欲がわかない、疲れが抜けない、むくみやすい、食後に眠くなる…。そんな不調は、脾が少し疲れているサインかもしれません。

毎日の食事や睡眠、そして季節に合わせた過ごし方を少し意識するだけでも、脾は少しずつ元気を取り戻してくれます。

完璧な養生を目指さなくても大丈夫。先ずは温かい味噌汁を一杯飲むことからでも十分な養生です。

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