「瘀血(おけつ)」とは、東洋医学で血の流れが滞っている状態のことをいいます。
以前の記事で「血虚」についてお伝えしました。血虚は、バスが空っぽの回送状態。乗客(栄養)がいないまま走り続けている状態です。
一方、バスに乗客は乗っているのに、渋滞で目的地に届かない状態があります。
それが「瘀血(おけつ)」です。
東洋医学では、届けられなかった血はやがて滞り、変質して固まりになって現れると考えます。血の流れが悪くなり、サラサラと流れの良い血ではなく、ドロドロと粘りのあるような血へと変化します。生理の経血に混じる塊なども、このためと考えられています。
そして、瘀血が長く続くと、血虚にも発展しやすくなります。渋滞が続くと、乗客(栄養)は目的地に到達できないので、目的地周辺の血が不足する結果、栄養不足になるからです。
瘀血になるとこんな不調が
瘀血の不調には、特徴があります。
先ず、痛みが出てきます。
瘀血の痛みは、刺すような痛み・固定した痛みが出やすいのが特徴です。
そして、経血の塊が見られるようになります。
また、冷えているはずなのに顔がほてる、シミやくすみが増えるなど、見た目にも現れやすくなります。

以下のチェックリストで、あなたの状態を確認してみてください。
あなたの瘀血チェック
5つ以上当てはまる方は、瘀血のサインかもしれません。
▢生理痛がひどい。または刺すような鋭い痛みがある
▢経血に塊が生じることがある
▢片側に出やすい偏頭痛がある
▢同じ場所が繰り返し痛む
▢手足は冷たいのに、顔だけほてる
▢汗をかきやすい、または靴下が湿りやすい
▢夕方になると足がむくんでパンパンになる
▢シミやくすみが気になってきた
▢目の下のクマがとれない
▢唇や歯茎の色が暗い、紫っぽい
▢貧血気味、または貧血と言われたことがある
▢疲れやすく、回復に時間がかかる
▢肌や髪が乾燥しやすい
なぜ瘀血になるの?
瘀血の一番の原因は「冷え」です。
血は温かいと流れやすく、冷えると固まりやすくなります。
水道管が冬に凍って詰まる状態をイメージしてもらうとわかりやすいかもしれません。
つまり、瘀血改善の一番の対策は、冷えの改善ということになるのですが、冷えを招きやすい生活習慣は、次のようなものが考えられます。
・長時間同じ姿勢でいる(デスクワーク・スマホ)
・運動不足
・ストレスや感情の滞り
・冷たい飲み物・食べ物のとりすぎ
・睡眠不足
特に40代以降は、気血の巡りが落ちてくるため、若いころと同じ生活をしていても瘀血になりやすくなるので、こまめなケアが必要です。
ツボと養生
瘀血のケアで大切なのは「温めながら動かす」こと。
以下の3つのツボを、息を吐きながらじんわり5秒×3セット押してみてください。
①血海(けっかい)
膝の内側、お皿の上から指3本上。その名の通り「血の海」。
血を動かして滞りをほぐす代表ツボです。
生理痛・シミ・くすみにも◎
②三陰交(さんいんこう)
うちくるぶしから指4本上。肝・脾・腎すべてに働きかけます。
三陰交にはお灸がオススメ
三陰交は、押すだけでも効果がありますが、お灸で温めることで効果がぐっと高まります。瘀血は「冷え」と深く関係しているため、温めながら巡らせることが大切です。市販のせんねん灸でも充分。冷えと血の滞りに働きかけます。生理痛の緩和などにも効果が期待できるのでおススメです。寝る前に三陰交にひとつ据えるだけで巡りが変わりやすくなります。
③中封(ちゅうほう)
足の内くるぶしの前方、前脛骨筋腱の内側のくぼみ。肝経のツボで、下腹部の瘀血・生理痛・冷えのぼせに◎

3つとも足まわりに集まっています。寝る前に足元を優しくケアしてあげてください。
養生ごはん|スーパーで整える
血を動かす食材
玉ねぎ・らっきょう・酢・青魚(サバ・イワシなど)。血の滞りをほぐしてくれます。
肝を助ける食材
ネギ・生姜・梅干し・三つ葉。気の巡りが良くなると血も動きやすくなります。
血を補いながら動かす食材
黒きくらげ・ひじき・あさり・ほうれん草。瘀血と血虚が重なっている方に特におすすめです。
今夜取り入れやすいちょっとしたアイデア
黒酢ドリンクを冷蔵庫に忍ばせておいて、手軽に酢を取り入れてみて。
玉ねぎの酢漬けを常備菜として冷蔵庫に作り置きしておくのもいいですね。
甘いものとの付き合い方
甘いものを摂りすぎは、血の巡りを滞らせやすく、冷えに繋がりやすいと考えられています。
でも、甘いものが無性に欲しくなる時ありますよね。
そんな時は、白砂糖をはちみつや黒糖に置き換えるだけで、カラダへの負担がぐっと変わります。上手に付き合いながら、巡りのよい生活を目指しましょう。
おわりに
血を動かすために、今日からできることはシンプルです。
いつもの駅から一駅(一バス停)歩く
深呼吸する
休憩時間に肩をぐるっと回す

血は動くことで巡り始めます。
完璧にやろうとしなくていい。小さなことから少しずつ。
それだけで、渋滞は少しずつ解消していきます。
そして、大事なのは「一度に頑張り過ぎないこと」です。
今日頑張って、明日は何もしない。よりも、
「今日はここまで」と決めて、その小さな動きを毎日積み重ねること。
カラダは正直に応えてくれます。

