「陰虚(いんきょ)」とは、東洋医学でカラダの潤い・水分・血液などの「陰(いん)」が不足している状態のこと。
イメージとしては「砂漠」を思い浮かべてみてください。水分が少ない砂漠は、大地は干上がり、ジリジリと暑くなります。カラダも同じで、潤い(陰)が不足すると、その渇きから熱がこもりやすくなります。これが、のぼせやほてり、のどの渇き、寝汗として現れると東洋医学では考えられています。

「なんとなく体がカラカラに乾いている感じがする」「夜中に汗をかいて目が覚める」と感じている方は、陰虚のサインかもしれません。
早速、次のチェックリストで、自分の体調をチェックしてみてください。
こんな症状ありませんか?
いくつ当てはまりましたか?これらはすべて、カラダの潤いが不足しているときに出やすいサインです。
陰虚ってどういう状態?
東洋医学では、カラダを「陰」と「陽」のバランスで考えます。
陰は体を冷やし、潤す働き。陽は体を温め、動かす働きを持っています。
通常はこの陰と陽がバランスを取り合っていますが、陰が不足すると、相対的に陽が強く出てしまいます。これが、のぼせやほてりとして現れる理由です。

潤いが少なくなった砂漠が、太陽の熱をそのまま受けて乾いていくように、カラダも潤いが足りなくなると、熱をうまく冷やせなくなってしまうのです。
ただ、陰虚タイプは、手足や顔がほてるのに、お腹や腰回りなど芯は冷えていることも少なくありません。表面は熱いのに、根本は冷えている「隠れ冷え」タイプとも言えます。
なぜ陰虚になるの?
陰虚の主な要因は、年齢とともに自然に潤いが減っていくこと。特に40代以降は、腎の陰(腎陰)が少しずつ不足しやすくなります。
現代の生活習慣の中にも、陰虚を招きやすい要因がいくつかあります。
心当たりがある方は、生活習慣を見直す機会かもしれません。
今日からできるセルフケア|ツボ
体の潤いを補う3つのツボです。息を吐きながらじんわり5秒×3セットを目安に押してみてください。
①太谿(たいけい)|腎の陰を補う
場所:内くるぶしとアキレス腱の間にあるくぼみ。
腎経の原穴で、腎の陰(潤い)を補う代表的なツボ。陰虚の根本的なケアにおすすめです。

②三陰交(さんいんこう)|肝・脾・腎を補う
場所:内くるぶしから指4本上、骨の際。
肝・脾・腎の3つの経絡が交わるツボ。潤いを補いながら、巡りも助けてくれます。

③湧泉(ゆうせん)|腎を補い気を引き下げる
場所:足の裏、足の指を曲げたときにできるくぼみの中央。
腎を補い、上に浮きやすい熱を足元に引き下げる働きがあります。ほてりが気になる時におすすめです。

養生ごはん|スーパーで整える
カラダの潤いを補う食材を意識的に取り入れてみましょう。いつものご飯に軽く足せるものを選んでみました。
豆腐
潤いを補う代表的な食材。冷やしても温めても食べやすく、取り入れやすい一品です。
卵・あさり
身近な食材ですが、どちらも潤いを補う働きがあります。お味噌汁にあさりを加えるだけでも立派な養生ごはんに
海藻類(ひじき・わかめなど)
腎を補う代表的な食材。お味噌汁にちょこちょこ加えるだけで気軽に摂れます。
黒ごま・はちみつ
ご飯にふりかけたり、お菓子作りの砂糖をはちみつに置き換えたりして、ちょっとした工夫で潤いを+できます。
鍼灸師いろはの養生ごはん
実は、お味噌汁は最強の薬膳料理だと思っています。豆腐・わかめ・あさりの他にも、その時期の旬の食材を入れることで、手軽に栄養価の高い食事がとれます。発酵食品である味噌自体にも体を整える働きがあり、毎日の一杯が立派な養生につながります。
まとめ
陰虚は、カラダの潤い・水分・血液などの「陰」が不足している状態
のぼせ、ほてり、のどの渇き、寝汗、乾燥などのサインとして現れます。
砂漠のように乾いたカラダは、表面は熱くても、心は冷えていることもあります。「隠れ冷え」タイプとも言える陰虚は、潤いを補うことが何よりのケアになります。
ツボ
太谿(たいけい)→内くるぶしとアキレス腱の間にあるくぼみ
三陰交(さんいんこう)→内くるぶしから指4本上、骨の際
湧泉(ゆうせん)→足の裏、足の指を曲げたときにできるくぼみの中央
おうちごはん
豆腐・卵・あさり・海藻類・黒ごま・はちみつなど
カラダに潤いを与えることは、自分自身を労わることでもあります。無理せず、できるところから少しずつ整えていきましょう。

