「イチジクを食べると女性ホルモン(エストロゲン)が増える」、という話を聞いたことがありませんか?
私の記憶にもこの話は常識のようにあるので、聞いたことある人は多いのではないでしょうか。
更年期と呼ばれる世代にとって、「女性ホルモン」という言葉には敏感になりやすいですよね。
でも、
その「女性ホルモン」はイチジクからどうやって取り入れてるのだろう??
気になりませんか?
実は気になったので、ちょっと調べてみました。
今日はそのことについてお話ししようと思います。
イチジクに女性ホルモン(エストロゲン)が含まれている?
「イチジク エストロゲン」と検索してみると、
“イチジクには植物性エストロゲンが豊富“
”PMSや生理痛、更年期障害に効果的“
といった案内の美容系のサイトがいくつも出てきます。
この植物性エストロゲンというのは、正確には”フィトエストロゲン”といって、エストロゲンに似た構造を持つ植物由来成分。その代表格としては、大豆イソフラボンがあります。
実際に、大学の研究では約20種類ほどのフィトエストロゲンが見つかっていて、骨や心臓病への影響などが20年以上研究されているしっかりとした分野。
ですが、イチジクについてはっきりとした研究データは見つかりませんでした。
しかも研究内容を読んだところ、このフィトエストロゲン、少しやっかいな性質もあるとのこと。
エストロゲンと似た働きをする一方で、エストロゲンの働きを弱めてしまうこともあるらしいのです。
つまり、「摂れば女性ホルモンが増える」という単純な話ではなく、実はまだ研究者の間でもよくわかっていない部分が多いというのが実情のようです。

参考文献
・森本恵子「植物エストロゲンの糖代謝促進作用」化学と生物 57(2), 74-75, 2019
・京都大学OCW「動物環境生理学」講義資料(2012年)
では、イチジクは食べても意味がない?
とんでもない。
むしろ食べることで女性に嬉しいことはたくさんあります。
イチジク1個(約70g)に含まれる主な成分
・食物繊維:約1.3g
・カリウム:約116mg
・鉄:約0.2mg
・葉酸:約15㎍
・ビタミンE:約0.3mg
※イチジクの栄養成分は、日本食品標準成分表(八訂)を参考にしています。
これらの成分が、どうカラダに嬉しい働きがあるか順にみていきますね。
①食物繊維(ペクチンなど)|便秘予防・血糖値の急上昇を抑える
・水溶性食物繊維(ペクチン)が豊富。便を柔らかくして排便を促したり、糖の吸収も穏やかにするため、血糖値の急上昇を抑える働きも期待できます。
②カリウム|むくみ予防
・体内の余分なナトリウム(塩分)を排出する働きがあり、浮腫みや血圧の調整に役立ちます
③鉄・葉酸|貧血予防
・鉄は赤血球を作る材料。葉酸も赤血球の生成をサポートする栄養素。更年期世代に限らず、生理不順や不妊など、女性特有のトラブルで悩まれている人は、東洋医学で言う、「血虚(けっきょ)」に気を付けてほしいので、この組み合わせは女性に嬉しいですね。
→血虚って何?|血が足りないとカラダに出る10のサイン
④ビタミンE|肌や血管の老化予防
・抗酸化作用があり、血管の健康維持や、肌の老化予防に関わるとされる成分。キレイと若さを維持するための嬉しい成分ですね。
⑤フィシン(消化酵素)|消化のサポート
・イチジクに含まれるたんぱく質分解酵素。肉料理と一緒に食べると、消化を助ける効果が期待できます。
⑥ポリフェノール(アントシアニンなど)|抗酸化作用
・皮の部分に多く含まれ、カラダの酸化(老化)を抑える働きが期待できます。
イチジク1個に含まれる栄養素は、どれもこれだけで万能とはいきませんが、毎日の食事に少しずつ積み重ねていくことで、腸内環境を調える助けになります。

イチジクの1日の摂取目安は2~3個程度。「カラダに良い」と聞くと、つい同じものばかり摂ってしまいがち。でも、摂りすぎるとお腹が張ったり、ガスが増えたりすることも。なんでも「たくさん摂れば良い」と言わけではないので注意。
東洋医学から見る、イチジク
ここまで、成分としての「エストロゲン様作用」を検証してきましたが、東洋医学の視点から見るイチジクには、実はこんな要素があると言われています。
東洋医学では、イチジクは「血」と「潤い」をやさしく補う食材と考えます。顔色のくすみ、乾燥、疲れやすさ、白髪…。揺らぎ世代に現れやすいこうしたサインは、血の不足や潤いの低下と関係していることがあります。
また、甘すぎず、重すぎない自然な甘みは、脾(=消化と栄養をつかさどる臓)をいたわりながら血を養い、内側からツヤや潤いを支えてくれます。
科学的なエビデンスとしての「エストロゲン様作用」は、正直ハッキリしません。でも、「血を満たすことから整えていく」という東洋医学の考え方に立てば、イチジクが更年期世代のみならず、女性に嬉しい果物であることには変わりなさそうです。
ほんのり甘さでスイーツ代わりに
以前もブログに書きましたが、更年期世代に限らず、「甘いものがやめられない」女子は多いと思います。そんな方たちに是非おすすめしたいのが、空腹を紛らすスイーツからイチジクへの置き換え。
材料は
イチジク 2個
チーズ(私はお手軽にKiri) 2個
生ハム 4枚
ブラックペッパー 少々
はちみつ お好みの量

今日はイチジクの話なので、イチジクへの置き換えですが、置き換えは他の物でも良いのです。
実はわたくし、最近は果物系で置き返していますが、
昔はロースイーツ作りが大好きで、よく作っていました。

この写真は、クルミを砕いて細かくしたデーツと混ぜて、
カカオパウダーを加えてバー状にかため、
ドライフルーツをトッピングしたエナジーバー。
砂糖や、小麦粉、バターを使っていない、
食べているのはナッツとデーツとドライフルーツ。
罪悪感の少ない、スイーツ。
それでいて、ビタミンEなどの摂取ができるのです。

スイーツがやめられないなら、スイーツを変える。
発想を変えれば、食を楽しめますね。
まとめ
「イチジクを食べると女性ホルモンが増える」という話、調べてみるとはっきりとした根拠は見つかりませんでした。
でも、それはイチジクを食べる意味がないということではありません。
食物繊維、カリウム、鉄、葉酸、ビタミンEなど、イチジクには女性のカラダに嬉しい栄養がしっかり詰まっています。
大切なのは、「これを食べれば女性ホルモンが増える」という魔法のような話に頼るのではなく、毎日の食事の中で、少しずつ栄養を積み重ねていくこと。
甘いものが欲しくなった時の選択肢として、イチジクを取り入れてみる。それも、カラダとの上手な付き合い方のひとつだと思います。
未来のカラダは、今日の小さな積み重ねから。


