「ご飯はちゃんと食べたはずなのに、なんだか甘いものが欲しい」
「夕方になると、無性にチョコレートやお菓子に手が伸びる」
40代・50代になって、以前より甘いものが欲しくなったと感じることはありませんか?
「私の意志が弱いだけ?」
そう思ってしまいそうですが、実は食欲には、空腹だけでなく女性ホルモンや睡眠、ストレス、普段の食事など、さまざまなものが関係しています。
特に更年期は、女性ホルモン(エストロゲン)が大きく揺らぎながら減少していく時期。
その変化が、食欲や「甘いものが欲しい」という感覚に影響する可能性もあります。
だからといって、甘いものをすべて禁止する必要はありません。
今回は、更年期になるとなぜ甘いものが欲しくなることがあるのか、その理由を探りながら、甘いものと上手に付き合う方法を考えてみましょう。
女性ホルモンが減ると、なぜ甘いものが欲しくなるの?
更年期に甘いものが欲しくなる理由のひとつとして考えられるのが、女性ホルモン(エストロゲン)の変化です。
エストロゲンは、生理や妊娠だけに関わるホルモンではありません。
脳にも作用し、気分や食欲に関わるセロトニンなどの働きにも影響しています。
更年期になりエストロゲンが大きく揺らぎながら減少すると、気分が落ち込みやすくなったり、イライラしたり、食欲のコントロールが以前とは少し変わったりすることがあります。
そんなとき、つい手が伸びやすいのが甘いもの。
甘いものを食べると「ちょっとホッとする」「疲れが取れた気がする」と感じることがありますよね。
さらに、エストロゲンの減少は、血糖値を調節するインスリンの働きにも関係しています。更年期以降はインスリンが効きにくくなる傾向があり、血糖値のコントロールにも変化が起こりやすくなります。
ただし、
「エストロゲンが減ったから、甘いものが食べたくなる」
と、それだけで説明できるわけではありません。
甘いものが欲しくなる背景には、睡眠不足やストレス、疲労、そして普段の食事の摂り方なども関係しています。
夕方に甘いものが欲しくなるなら、昼ごはんを振り返ってみる
夕方になると甘いものが欲しくなる。
そんなときは、おやつを我慢する前に、まずその日の昼ごはんを思い出してみてください。
「忙しくてパンだけだった」
「ダイエット中だからサラダだけ」
「おにぎりだけで済ませた」
そんな日はありませんか?
食事の量が少なかったり、たんぱく質や脂質、食物繊維などが十分に摂れていなかったりすると、食後の満足感が続かず、次の食事までにお腹が空きやすくなることがあります。
だから、甘いものを我慢することばかり考えるのではなく、まずは3食をきちんと食べること。
ごはんなどの炭水化物に、魚や肉、卵、大豆製品などのたんぱく質、野菜や海藻類などを組み合わせてみましょう。
食事の内容が整って満足感が続けば、自然と間食したいと感じる回数が減ることもあります。
「太りたくないから」と昼食を軽くしすぎるより、まずは昼食をきちんと摂ること。
それが結果として、夕方の強い空腹や「何か食べたい」という感覚を減らすことにつながるかもしれません。
ただし、ここで少し分けて考えたいことがあります。
「お腹が空いた」と「甘いものが食べたい」は、必ずしも同じではありません。
食事をしっかり摂っていても、疲れやストレス、習慣などから「甘いものが欲しい」と感じることはあります。
そんなときは、一度、
「今、お腹が空いている? それとも、甘いものが食べたい?」
と自分に聞いてみるのも一つです。
本当にお腹が空いているのであれば、まずは食事の量や内容が足りていたかを振り返ってみる。
反対に、お腹は空いていないけれど、
「今日はチョコレートが食べたい」
「コーヒーと一緒に甘いものを楽しみたい」
という日だってあります。
それなら、無理に我慢する必要はありません。
大切なのは、甘いものを「食べる・食べない」の二択にするのではなく、どう選んで、どう楽しむかなのではないでしょうか。
ココロもおなかも喜ぶスイーツ
甘いものが食べたいとき、無理に我慢してナッツを数粒食べても、
「いや、私が食べたかったのはこれじゃない……」
となることもありますよね(笑)。
そんな日は、ちゃんと「おいしい」と思えて、満足できるおやつを選ぶのも一つです。
例えば、ヨーグルトにベリーやナッツを加えたり、果物を使ったスイーツや、カカオを楽しめるチョコレートを選んだり。
私は以前、ナッツやカカオ、デーツなどを使ったロースイーツを趣味で作っていました。

もちろん、ロースイーツだからたくさん食べても大丈夫、というわけではありません。でも、自分で作れば使う素材や甘さを選ぶことができます。
市販のスイーツでも同じです。
「甘いものはダメ」と決めてしまうのではなく、原材料をちょっと見てみたり、せっかくなら本当に食べたいものを選んだり。
そして、食べると決めたらゆっくり味わう。
カラダのためだけではなく、ココロまで「おいしかった」と満足できること。
そんなおやつ時間も、40代・50代のカラダと上手に付き合っていくための一つの方法だと思います。

鍼灸師いろはの簡単おやつ
甘いものが食べたいなら、ちゃんとスイーツを食べたい(笑)。
そんな日に、材料3つで作れるチョコムースです。
アボカドチョコムース
材料(1人分)
アボカド……1/2個
ローカカオパウダー(または無糖ココア)……大さじ1
はちみつ……適量
作り方
アボカドを器の中でスプーンでよくつぶし、カカオパウダーとはちみつを加えて、なめらかになるまでぐるぐる混ぜる。
アボカドには不飽和脂肪酸や食物繊維、カカオにはポリフェノールやマグネシウムなどが含まれています。
「ヘルシーだからたくさん食べてOK」ではありませんが、素材そのものの栄養も摂りながら、濃厚なチョコレート感を楽しめるおやつです。
東洋医学では「甘いもの」をどう考える?
東洋医学では、食べ物の味を「酸・苦・甘・辛・鹹(塩辛い)」の五つに分けて考えます。
その中で、「甘味」は脾(ひ)と深く関係する味です。
甘味には、カラダに必要なエネルギーを補ったり、緊張をゆるめたりする働きがあると考えられています。
そのため、疲れているときに「甘いものが食べたい」と感じるのも、東洋医学的に見ると不思議なことではありません。
ただし、ここでいう「甘味」は、ケーキやチョコレートなど砂糖をたくさん使ったお菓子だけではありません。
お米や芋類、かぼちゃ、栗など、食材そのものが持つ自然な甘みも「甘味」に含まれます。
一方で、甘いものを摂りすぎると、「脾」の働きに負担をかけ、カラダに余分な水分である「湿(しつ)」をため込みやすくなると考えます。
甘いものが無性に欲しくなる日が続くときは、
「我慢しなくちゃ」ではなく、「最近ちょっと疲れていないかな?」「食事はちゃんと摂れているかな?」
と、カラダの状態を振り返ってみるのも一つです。
甘味そのものが悪いわけではありません。
何を、どのくらい、どんなときに食べるのか。
甘いものを楽しみながら、自分のカラダの変化にも少し目を向けてみる。それも、毎日の暮らしの中でできる養生です。
まとめ|甘いものとは上手に付き合っていこう
更年期になって、「以前より甘いものが欲しくなった」と感じることがあるかもしれません。
その背景には、女性ホルモンの変化だけでなく、普段の食事や睡眠不足、疲れ、ストレスなど、さまざまなものが関係しています。
だから、甘いものに手が伸びたとき、
「また食べちゃった」
と後悔する前に、
「今日はどうして甘いものが欲しいんだろう?」
と、ちょっとだけ自分のカラダに目を向けてみてください。
お腹が空いているなら、普段の食事が足りているか振り返ってみる。
疲れているなら、少し休む。
そして、ただ純粋に「今日は甘いものが食べたい!」という日なら、ちゃんとおいしいものを選んで楽しむ。
甘いものを完全にやめる必要はありません。
我慢することより、自分のカラダを知って、自分で選ぶこと。
40代・50代になって変化していくカラダだからこそ、「食べてはいけないもの」を増やすのではなく、自分に合った食べ方を少しずつ見つけていきたいですね。
ココロもお腹も満足できるおやつ時間も楽しみながら、これからのカラダと上手に付き合っていきましょう。

