最近、髪が抜ける量が増えた。
髪にツヤやハリがなくなって、なんとなくパサついてきた。
そんな変化を感じていませんか?
年齢のせいかな、更年期だから仕方がないのかな……。
そう思っている方も多いかもしれません。
東洋医学では、髪のことを「血余(けつよ)」と呼びます。
「血余」とは、「血の余り」という意味。
つまり髪は、体を巡る血が十分にあって、はじめて健やかに育つと考えられているのです。
そのため、血が不足すると髪まで栄養が届きにくくなり、抜け毛やパサつき、ツヤの低下として現れることがあります。
アナタの髪はどうでしょうか?
まずはチェックリストで、今のあなたの状態を確認してみましょう。
こんな症状ありませんか?
いくつ当てはまりましたか?これらはすべて、血が不足しているときに出やすいサインです。
なぜ髪が抜ける・パサつくの?
冒頭で、東洋医学では、髪のことを「血余(けつよ)」と呼ぶとお伝えしました。
「血余」とは、「血の余り」という意味。
つまり、髪は体を巡る血に余裕があってはじめて、十分な栄養を受け取り、ツヤやハリのある健やかな状態を保てると考えられています。
言い換えれば、髪は「血のバロメータ」のような存在。
血が不足すると、そのサインは髪にも現れやすくなります。
では、なぜ血が不足してしまうのでしょうか。
血を作る力が落ちている
東洋医学では、血は食べたものから作られます。
私たちが食べたものは、五臓の「脾(ひ)」と「胃(い)」で消化・吸収され、少しずつ血へと変えられていきます。
ところが、冷たい飲み物やアイス、冷たい麺類などを摂りすぎると、脾胃は冷えて働きが弱くなってしまいます。
すると、充分な「血」を作ることができず、髪を養うための栄養も不足しやすくなります。その結果、髪のツヤやハリが失われたり、抜け毛やパサつきとして現れたりすることがあります。
夏は冷たいものを口にする機会が増える季節。
毎日の積み重ねが、やがて髪のツヤやハリ、抜け毛として現れてくることもあります。
血を消耗している
血は作るだけでなく、毎日の生活でも少しずつ消耗しています。
例えば、
- 睡眠不足や夜更かし
- ストレスが続いている
- 過度なダイエット
- スマートフォンやパソコンなどによる目の使い過ぎ
こうした生活が続くと、血を十分に養うことができず、血虚につながりやすくなります。
東洋医学には「久視傷血(きゅうししょうけつ)」という言葉があり、長時間目を使い続けると血を消耗しやすいと考えられています。
スマートフォンやパソコンを見る時間が長い現代では、目だけでなく、髪にも影響しているのかもしれません。
さらに、40代以降は更年期による体の変化も重なり、これまでと同じ生活を送っていても、髪のツヤやハリの低下、抜け毛などを感じやすくなることがあります。
更年期は髪が変化しやすい時期
40代後半から50代にかけては、更年期による体の変化も重なります。
東洋医学では、この時期は「血」だけでなく、「腎(じん)」の働きも少しずつ弱まりやすいと考えます。
腎は、生命力や成長、老化に深く関わる臓であり、髪の成長とも密接な関係があります。
そのため、更年期以降は、
- 抜け毛が増えた
- 髪が細くなった
- ツヤやハリがなくなった
- 白髪が増えた
といった変化を感じる方が少なくありません。
「年齢だから仕方ない」とあきらめるのではなく、体の内側を整えていくことが大切です。
今日からできるセルフケア|ツボ
血を養い、髪までしっかり栄養を届けるためにおすすめのツボを3つご紹介します。
① 血海(けっかい)
場所: 膝のお皿の内側、上から指3本分ほど上にある、押すと少し痛気持ちいいところ。
名前の通り、「血の海」と呼ばれるほど、血と深い関わりのあるツボです。
東洋医学では、血を補い、巡りを整える働きがあると考えられています。
抜け毛や髪のパサつきだけでなく、肌の乾燥や生理の不調が気になる方にもおすすめです。

② 三陰交(さんいんこう)
場所: 内くるぶしの一番高いところから、指4本分上の骨の際。
「肝・脾・腎」の3つの経絡が交わる、女性にとって大切なツボです。
血を養いながら、ホルモンバランスや冷えにもアプローチしてくれるため、更年期世代のセルフケアにもよく使われます。
毎日の養生として取り入れたい代表的なツボです。
③ 足三里(あしさんり)
場所: 膝のお皿の外側のくぼみから、指4本分下。
東洋医学では、血は食べたものから作られると考えます。
足三里は、消化・吸収を担う脾胃の働きを助け、血を作る土台を整えてくれる代表的なツボです。
髪だけでなく、「なんとなく疲れやすい」「食欲がわかない」と感じる方にもおすすめです。


ツボ押しのポイント
寝る前のリラックスタイムに行うのがおすすめです。親指で「気持ちいい」と感じる強さで、息をゆっくり吐きながら5秒押し、ゆっくりはなします。これを3回ほど繰り返し行ってみてください。毎日続けることで、カラダを整える習慣にも繋がります。
養生ごはん|スーパーで整える
髪は毎日少しずつ育ちます。
だからこそ、特別なものを食べるよりも、毎日の食事で血を養うことが大切です。
今日から取り入れやすい食材を紹介します。
卵
卵は良質なたんぱく質を含み、血を作るための大切な材料になります。
ゆで卵や卵焼きなど、毎日の食卓に取り入れやすい食材です。
鮭
鮭は良質なたんぱく質に加え、ビタミンDやアスタキサンチンも豊富。
東洋医学でも体を養う食材の一つと考えられています。
焼くだけで手軽に食べられるので、忙しい日にもおすすめです。
黒ごま
東洋医学では、黒い食材は体を養う食材として昔から親しまれてきました。
黒ごまは料理にふりかけるだけで手軽に取り入れられます。
毎日のご飯やサラダ、ヨーグルトなどに加えてみましょう。
小松菜・ほうれん草
緑黄色野菜には、鉄分や葉酸など血づくりを助ける栄養素が含まれています。
お浸しや味噌汁の具にするだけでも続けやすいですね。
海藻類
海藻には、ミネラルなどが含まれています。
東洋医学でも、毎日の食事に取り入れやすい食材の一つです。

【鍼灸師いろはの養生ごはん】
私がよく作るのは、具だくさんの味噌汁です。
今回の場合も、小松菜や卵を入れたり、その日の冷蔵庫にある野菜を加えたり。特別な薬膳料理を作らなくても味噌汁で十分です。
お味噌は発酵食品ですし、東洋医学では温かい食事は脾胃をいたわる養生にもつながります。脾胃が元気になることは、血を養う土台づくりにも大切です。
迷ったら味噌汁。
毎日の食卓で無理なく続けることが、未来の髪やカラダを育てる近道だと思っています。

【まとめ】
抜け毛や髪のパサつきは、年齢だけが原因とは限りません。
東洋医学では、髪は「血余(けつよ)」と呼ばれ、血の状態を映し出す存在と考えます。
血を養うためには、髪だけをケアするのではなく、食事や睡眠、胃腸をいたわる生活習慣も大切です。
毎日の食事を少し見直したり、ツボ押しを続けたり。そんな小さな積み重ねが、未来の髪やカラダを育ててくれます。
完璧を目指さなくて大丈夫。
今日できることを一つから始めてみませんか。
