「ご飯はちゃんと食べたはずなのに、なんだか甘いものが欲しい」
「夕方になると、無性にチョコレートやお菓子に手が伸びる」
40代・50代になって、以前より甘いものが欲しくなったと感じることはありませんか?
「私の意志が弱いだけ?」

いえいえ、私も意志が弱くて、ついつい甘いものに手が伸びがちです。笑。
最近、インスタのリールで「甘いものが食べたくなるのは、タンパク質不足のせい」といった投稿を見かけました。
気になって調べてみたのですが、正直はっきりとした医学的根拠まではわかりませんでした。
とはいえ、更年期世代の私たちの立場で考えると、見過ごせない話だなと思ったのです。
というのも、エストロゲンの減少が私たちに与える影響は、想像以上に大きいから。
今回は、更年期になるとなぜ甘いものが欲しくなることがあるのか、その理由を探りながら、甘いものと上手に付き合う方法を考えてみましょう。
女性ホルモンが減ると、なぜ甘いものが欲しくなるの?
更年期に甘いものが欲しくなる理由のひとつとして考えられるのが、先ほどもあげた、女性ホルモン(エストロゲン)の変化です。
エストロゲンは脳にも作用し、気分や食欲に関わるセロトニンなどの働きにも影響しています。
更年期になりエストロゲンが大きく揺らぎながら減少すると、気分が落ち込みやすくなったり、イライラしたり、食欲のコントロールが以前とは少し変わったりすることがあります。
さらに、エストロゲンの減少は、血糖値を調節するインスリンの働きにも関係しています。血糖値の乱高下は、気分の浮き沈みにも繋がりやすくなる。
そういう時に甘いものを食べると、「ちょっとホッとする」「疲れが取れた気がする」と感じることがありますよね。
これが理由の一つのようです。
ただし、全てがエストロゲンのせいとは言えません。
甘いものが欲しくなる背景には、睡眠不足やストレス、疲労、そして普段の食事の摂り方なども関係しています。
朝・昼ごはんを振り返ってみる
夕方になると甘いものが欲しくなる。
そんなときは、おやつを我慢する前に、まずその日の昼ごはんを思い出してみてください。
「忙しくてパンだけだった」
「ダイエット中だからサラダだけ」
「おにぎりだけで済ませた」
そんな日はありませんか?
食事の量が少なかったり、たんぱく質や脂質、食物繊維などが十分に摂れていなかったりすると、食後の満足感が続かず、次の食事までにお腹が空きやすくなることがあります。
だから、甘いものを我慢することばかり考えるのではなく、まずは3食をきちんと食べること。
ごはんなどの炭水化物に、魚や肉、卵、大豆製品などのたんぱく質、野菜や海藻類などを組み合わせてみましょう。

私は仕事柄、車移動が多くて、患者さんの数が多い日は満足に昼食をとる時間が確保できないときがあります。最初は運転しながらつまみやすいパンを昼食に選していましたが、夕方にひどくお腹が空いてスナックを食べていたのです。
そこで、タンパク質を意識して摂るようにし、ゆで卵やサラダチキン、茹でたブロッコリー、それからブドウなどの果物、おにぎりを選ぶようにしたら、不思議と夕方の空腹感がなくなりました。だから、おやつが食べたくなるのはタンパク質が不足しているせいというインスタのリールにもちょっと反応したんですよね。笑。
食事の内容が整って満足感が続けば、自然と間食したいと感じる回数が減ることもあります。
「太りたくないから」と昼食を軽くしすぎるより、まずは昼食をきちんと摂ること。
それが結果として、夕方の強い空腹や「何か食べたい」という感覚を減らすことにつながるかもしれません。
それは本当に食べたいもの?
ただし、ここで少し分けて考えたいことがあります。
「お腹が空いた」と「甘いものが食べたい」は、必ずしも同じではありません。
栄養をしっかり摂っていても、疲れやストレス、習慣などから
「お腹が空いているわけではないのに、甘いものが欲しい」
と感じることはあります。そんなときは、一度、
「今、お腹が空いている? それとも、甘いものが食べたい?」
と自分に聞いてみるのも一つです。
本当にお腹が空いているのであれば、まずは食事の量や内容が足りていたかを振り返ってみる。
反対に、お腹は空いていないけれど、
「今日はチョコレートが食べたい」
「コーヒーと一緒に甘いものを楽しみたい」
という日だってあります。
それなら、無理に我慢する必要はありません。
注意してほしい点は、それはあくまで間食なので、その後の食事に影響するような食べ方をしないということだと思います。
大切なのは、甘いものを「食べる・食べない」の二択にするのではなく、どう選んで、どう楽しむかなのではないでしょうか。
ココロもおなかも喜ぶスイーツ
甘いものが食べたいとき、無理に我慢してナッツを数粒食べても、
「いや、私が食べたかったのはこれじゃない……」
となることもありますよね(笑)。
そんな日は、ちゃんと「おいしい」と思えて、満足できるおやつを選ぶのも一つです。
例えば、ヨーグルトにベリーやナッツを加えたり、果物を使ったスイーツや、カカオを楽しめるチョコレートを選んだり。
私は以前、ナッツやカカオ、デーツなどを使ったロースイーツを趣味で作っていました。

もちろん、ロースイーツだからたくさん食べても大丈夫、というわけではありません。でも、自分で作れば使う素材や甘さを選ぶことができます。
市販のスイーツでも同じです。
「甘いものはダメ」と決めてしまうのではなく、原材料をちょっと見てみたり、せっかくなら本当に食べたいものを選んだり。
そして、食べると決めたらゆっくり味わう。
カラダのためだけではなく、ココロまで「おいしかった」と満足できること。
そんなおやつ時間も、40代・50代のカラダと上手に付き合っていくための一つの方法だと思います。

鍼灸師いろはの簡単おやつ
甘いものが食べたいなら、ちゃんとスイーツを食べたい(笑)。
そんな日に、材料3つで作れるチョコムースです。
アボカドチョコムース
材料(1人分)
アボカド……1/2個
ローカカオパウダー(または無糖ココア)……大さじ1
はちみつ……適量
作り方
アボカドを器の中でスプーンでよくつぶし、カカオパウダーとはちみつを加えて、なめらかになるまでぐるぐる混ぜる。
アボカドには不飽和脂肪酸や食物繊維、カカオにはポリフェノールやマグネシウムなどが含まれています。
「ヘルシーだからたくさん食べてOK」ではありませんが、素材そのものの栄養も摂りながら、濃厚なチョコレート感を楽しめるおやつです。
東洋医学では「甘いもの」をどう考える?
東洋医学では、食べ物の味を「酸・苦・甘・辛・鹹(塩辛い)」の五つに分けて考えます。
その中で、「甘味」は脾(ひ)と深く関係する味です。
甘味には、カラダに必要なエネルギーを補ったり、緊張をゆるめたりする働きがあると考えられています。
ただし、ここでいう「甘味」は、ケーキやチョコレートなど砂糖をたくさん使ったお菓子だけではなく、お米やイモ類、カボチャや栗など、食材が持つ自然な甘みも含まれます。
一方で、「脾」はストレスの影響をうけやすい臓でもあります。
そのストレスによって、食欲がなくなる人もいれば、ドカ食いしてしまう人もいる。どちらも「脾」がストレスに振り回せれているサインかもしれません。
甘いものが無性に欲しくなる日は、「我慢しなくちゃ」ではなく、「最近ちょっと疲れていないかな?」「食事はちゃんと摂れているかな?」
と、カラダとココロを振り返るきっかけにしてみてください。
まとめ|甘いものとは上手に付き合っていこう
更年期になって、「以前より甘いものが欲しくなった」と感じることがあるかもしれません。
その背景には、女性ホルモンの変化だけでなく、普段の食事や睡眠不足、疲れ、ストレスなど、さまざまなものが関係しています。
だから、甘いものに手が伸びたとき、
「また食べちゃった」
と後悔する前に、
「今日はどうして甘いものが欲しいんだろう?」
と、ちょっとだけ自分のカラダに目を向けてみてください。
お腹が空いているなら、普段の食事が足りているか振り返ってみる。
疲れているなら、少し休む。
そして、ただ純粋に「今日は甘いものが食べたい!」という日なら、ちゃんとおいしいものを選んで楽しむ。
甘いものを完全にやめる必要はありません。
我慢することより、自分のカラダを知って、自分で選ぶこと。
40代・50代になって変化していくカラダだからこそ、「食べてはいけないもの」を増やすのではなく、自分に合った食べ方を少しずつ見つけていきたいですね。
ココロもお腹も満足できるおやつ時間も楽しみながら、これからのカラダと上手に付き合っていきましょう。

